人気の少ない鉄道市場に想う

 

前回のブログ「バンコクの二つの鉄道市場」からの続きです。

 

「トレイン・マーケット」の俯瞰の夜景写真としてよくネットで見られるそれは、多くが「ラチャダーのトレイン・マーケット」の方のそれである。お隣のエスプラナードの駐車場4階か5階辺りから撮影すると、色とりどりの小型店の群れが美しく撮れ、人気がある。

 

立体駐車場に入って写真を撮るのも無料であり、バンコクの夜風を感じながら夜市の営みを眺めるのは、胸に響くものがある。

とはいえ、コロナ禍で世界中の観光業は大打撃を被っている。GDP20%かそこらをツーリズムに依存してきたタイ王国では、その影響は相当に深刻である。

 

世界中からの観光客がアジア旅行の通り道のハブの一つとして降り立ってきたバンコクであるが、いきなり外国人観光客が例年より99%も激減し、財布の紐の緩いインバウンドの観光客をあてにしていたビジネスは、相当数淘汰されてしまった。

 

2020年の前半、タイ王国ではコロナ感染をゼロ感染にまで持っていく、厳しいロックダウンを行い、国内観光客は比較的自由に国内を移動することが、2020年の後半になってからできるようになっていた。

 

しかし、それでも国内客だけではこれまでの観光業従事者の全てを支え切れるはずもなく、2020年末までには相当数の宿や旅行業者、外国人観光客目当てのお店やマッサージ店、バーや土産物屋などがバタバタと閉店してしまった。

 

2021年初頭、日本同様に、いや日本よりもさらに多くの場所で、テナントの空いた場所が多く見られるようになっている。

タイ王国のコロナ対応策は、感染者が見つかったエリアを集中的にロックダウンし、感染者を限りなくゼロに近づけていくというやり方であるが、2020年末に海沿いの街の海鮮市場にて、ミャンマー人出稼ぎ労働者間での大量のコロナ感染者が見つかるまでの半年ほどの間、国内感染がほぼゼロであったことはもっと知られても良い。

 

タイ政府は、中国でコロナ感染が発生していたにもかかわらず、2019年末から2020年初頭にかけて、「中国からの観光客ウェルカム!」と初動こそ日本同様に大きく間違ったものの、あれよあれよと増える国内の感染者数の増加に間違いだったと気づき、すぐに軌道修正をし厳格なロックダウンに切り替え、なんと「国内でのコロナ感染ゼロ」を達成した。(検査が不十分であったという可能性もあるが)

 

 

その後も、機器の精度が低いのであまり意味のないコンビニやショッピング・モール店舗に入る際の検温や、「やってる感」以外にはほとんど何の役にも立っていなさそうなレストランのセパレーションの板、そもそも機能しているのか怪しい移動者追跡アプリなど、コロナに対してだけは神経質になって頑張った、タイの人々の努力の成果であるといえる。レストランやカフェなどで、タイに居残った欧米人が少し咳をするだけで、その周囲からすぐにタイ人がいなくなる逃げ足の速さも見事である。

 

バンコクのカオサン通りしかり、夜の営みのコンテンツで名を馳せていたパッポン通り、タニヤ通り、ソイ・カウボーイ、ナナ・プラザなどは青色吐息であり、パタヤのウォーキング・ストリートが「ネオ・ウォーキング・ストリート」として再出発を切ろうという話も耳にする。

 

アジア諸国において、コロナ禍が収まり、かつてのように国境を越えた往来が盛んになるのは、2022年以降であろう。

 

 

コロナ禍のどさくさに紛れ、ミャンマーで軍事クーデターが起こっている。タイ王国でも公正なシステムを求める人々への弾圧が続いている。

 

世界のほとんどの国が鎖国状態となった今、移動はできないながらも、錆びついたアンテナに油をさし、国際情勢に対する感度を涵養しておきたいものである。

もう少しの辛抱かな。

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