おそらく、バンコク一有名な心霊スポット(前編)

 

 タイ王国の人々は、霊やお化けを信じている人が多い。霊の中にも、「先祖の良い霊」や「巷にうろつく悪い霊」など、色々なタイプの霊がいると考えられている。街中のいたるところに、先祖の霊や土地の霊を祀る祠があるのも、タイ王国ならではの光景だろう。

 

 さて、タイ王国の首都バンコクには、特段有名な心霊スポットがある。1997年のタイ・バーツの暴落から始まったアジア通貨危機の頃、バンコクのチャオプラヤー川近くに建てられていた49階建ての高層ビルで、大方の骨格を作り終えたところで、プロジェクトが頓挫してしまった「サソーン・ユニーク・タワー」がそれだ。

 

 サソーン・ユニーク・タワーは、数百メートル遠くからでも視界に入ることから、アップルやコカ・コーラなど大手スポンサーの広告がビルの外側に架けられていることが多い。

 

 しかし、やはりこのビルはその成り立ちが普通ではない。アジア通貨危機でプロジェクトが頓挫すると、20年以上にも渡って、高層ビルの骨格をほぼ建てたは良いが、竣工させることも、取り壊すことも資金的にできなくなってしまった。また、ここでは自殺者が何人も出ていると言われるなど、その「おどろおどろしさ」は折り紙つきである。

 かつて、心霊スポットになる前は、出入りが比較的自由であったというが、「見晴らしが良いビルに登る」という以前の目的ではなく、中に入った欧米人の中に「自殺者」が出たということで、近年では割と厳しく入場できないようになっている。

 

 それでも、タイ王国らしく、保安員に500バーツばかり握らせると、中に入れてくれるという噂もあるが、「本当に出るらしい」という話だ。好奇心旺盛な外国人には中に入りたがる人もいるし、実際になんとかして入ってしまう人もいるようだが、タイ人はみな怖がって近づかないビルである。

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 夜になって、このビルの真下まで行ってみたことがあるが、なかなかの気配を醸し出していた。ビルの外からサソーン・ユニーク・タワーを見上げながら写真を撮っているだけで、「何か写ってしまうかもな」という迫力がある。

 

 

 ある日の夜、サソーン・ユニーク・タワーの写真を撮っていると、偶然、何度も雷が光って夜なのに日中のような写真が何枚も撮れた。これも後から見返してみると、ちょっと不気味な気がする。なんだか、「写真を撮っているのかい?じゃあ、手伝ってあげるよ」と誰かにストロボを焚かれたかのようにも思えるのだ。

 

 

 

入る勇気はないなァ、特に夜は。