映画化された、バンコクで最も有名な心霊スポット(後編)

 

 前回の「おそらく、バンコク一有名な心霊スポット(前編)」の続きです。

 

 

 バンコク一有名な心霊スポットである「サソーン・ユニーク・タワー」は、「心霊フィクション」ではあるが映画化もされている。2017年に公開されたタイ映画「The Promise」がそれである。

 

 アジア通貨危機の頃、二人の女子高生が「サソーン・ユニーク・タワー」で一緒に拳銃自殺をしようとするが、一人が死んだところで、もう一人は怖じけずいてその場を逃げてしまった。20年後、娘が高校生に成長した辺りで、「約束」を果たすように霊が追いかけてくるというもの。

 2017年のタイ国産映画においては四位、金額にして100万ドル(約1.1億円)という興行収入を稼ぎ出している。タイ映画といえば「心霊モノ」「コメディ」「オカマもの」というのが3つの主流ジャンルであるが、この「The Promise」は、正統派の「心霊モノ」である。

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 さて、「サソーン・ユニーク・タワー」で撮影をしていたら、雷の後、雨が降ってきたので、雨宿りがてら近くのお寺に避難した。ワット・ヤンナワ(ヤンナワ寺)はタイ王国でも珍しく、船(やその神)を祀る寺である。以前、タイ人の友人に連れられて、川の精霊に感謝を捧げる「ロイ・クラトン(灯籠流し)」の時期(例年11月頃)に、このお寺を訪れたことがあった。

 

 なんのイベント事もない日のヤンナワ寺は、ひっそりとしていたが、門が施錠されるわけでもなく、「来る者拒まず」という感じで、夜でも自由に出入りできた。

 境内に何人かの若い坊さんたちがいたので、「サソーン・ユニーク・タワー」のことについて聞いてみた。

 

 「あのビル、お化けがいるの?」と尋ねると、「あー、あそこ?お化けいないよ」と皆口を揃えて即答してくれた。ただ、彼らのうちの一人は「マイミー・ラオ(もういないよ)」と言っていた。

 

 タイ王国では、冠婚葬祭の際に、家や会社などに仏僧を招いて祈祷してもらう習慣がある。ひょっとすると、「サソーン・ユニーク・タワー」でも、この近所のヤンナワ寺の僧侶たちを召喚し、さまよう霊たちの供養をしたのかもしれない。

 

 

 

欧米人の自殺者にも、仏僧の祈りは有効なのだろうか。