曼谷華僑の夢の跡 「廊1919」を歩く

 

前回のブログ「曼谷華僑の夢の跡 廊1919に想う」からの続きです。

 

 

城壁のような「廊 1919」のエントランスの門をくぐると、そこには華僑・華人テイストな中庭が広がっている。敷地と建物の配置をざっくりと乱暴に描写すると、細長い敷地の周囲を囲むように、「コの字型」に建物が配置されており、その中央に媽祖廟からチャオプラヤー川まで中庭が続く。

 

媽祖廟の左右には、かつての華僑が薬剤師として財を成した華僑ブランドの展示室やカフェ、アート・ギャラリー、歴史資料館、レストラン、イベント・ホール、セレクト・ショップなどが並ぶが、コロナ禍にあって辛うじてオープンしているのは薬局の展示室、カフェ、展示品だけ並べて監視員さえいない小振りのギャラリー室といった具合である。

 

それでも、カフェはかつての二階まであった建物の中天井を打ち抜き、広々とした空間に昔日の雰囲気を偲びながら喫茶を楽しめる空間がある。客が少ない店内に腰掛けていると、昔日の生活の音が聞こえてきそうな雰囲気のある建物だ。

 

また、薬局の展示室も捨てがたい。薬剤師の秘伝の調合のような模型、人体上の鍼灸やツボの模型、多くの小さな引き出しが興味をそそる棚などがある。また、かつての華僑・華人の衣装や鞄なども試着できるようになっており、軽いコスプレ撮影などを楽しんでいる人の姿もある。バンコクで英語を教えているインド人の友人は、こうしたコスプレ衣装をえらく気に入り、何度もポーズや衣装を変えて、かつての華僑の男性になりきって喜んでいた。

 

無人のアート・ギャラリー内には、タイ人のアーティストの作品が無造作に並べられており、人がまばらの廊1919において、目を愉しませてくれている。媽祖廟の脇の廊下は薄暗い部分もあるが、そこらにもコンテンポラリー・アート作品や中国西安にある始皇帝の兵馬俑の模型なども並び、廊1919のオーナーが芸術や文化に想い入れのあることも伺える。

 

そして、廊1919の中央に鎮座する媽祖廟。これについては、少し長くなるので次のブログにて。

 

 

 

次ブログ「廊 1919の媽祖廟」に続けます。

引き出しの多い棚に惹かれる

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