パッタイ(タイ焼きそば)の有名店:ティプサマイ

 

 パッタイ(Phad Thai)とは、タイ王国の焼きそばである。海老(ゴン)入りのパッタイ・ゴン、豚肉(ムー)入りのパッタイ・ムーなど、具材によって最後に付く名詞が変わる。

 

 バンコクで最も有名なパッタイ屋といえば、ゴールデン・マウンテンの近くにあるティプサマイ(Thipsamai)であろう。夕方にオープンし、日付が変わる頃には店じまいしてしまうのだが、店内はいつも満席で、店の外や近所の店の前に設置された「仮設の座席」も満席となっていることが多い。異邦人の客も多いが、現地タイ人のお客が多く足を運ぶことからも、その人気のほどが伺える。

 

 中国人の友人がタイ人のボーイ・フレンドと失恋した折に、ティプサマイに連れて行った。「失恋したからティプサマイ」というのも変だが、行ったことがないというので、軽い夜食にと連れて行った。

 

 ティプサマイの看板料理は、言わずもがなパッタイなのであるが、海老入りのパッタイ・ゴンがここの主力商品である。果肉たっぷりのオレンジ・ジュースが、実はこの店の隠れた人気商品でもあるのだが、本来ティプサマイが売りにしている商品は「タイ焼きそば」である。オレンジ・ジュースは美味しいが。

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 店の入り口に設置された客から見える厨房では、火炎を上げてパッタイを調理する様子が観られる。高級店とはいえ、どんな状況で調理がされているのか分からないお店よりも、大した施設ではないが厨房が丸見えで透明性があるという方が、客からすると安心感があるのだろう。

 

 オーダーをして5分もすると、薄い卵の皮に包まれたパッタイがやってくる。

 肝心のパッタイのお味の方はといえば、「まぁ、焼きそばは美味しいけれど、海老が小さいな」というもの。バンコクはほとんど海に面した場所がなく、海老は輸送されてくるので、ティプサマイのパッタイの海老は、海沿いの町のパッタイに入っている海老とは比べるべくもなく小さい。

 

 また、一皿に小ぶりな海老が3尾しか入っていないので、海沿いの町で食べられる、あのぷりぷりとした海老の食感を期待していると物足りない。

 

 通常、パッタイは40バーツ程度で食べられる料理であるが、交通アクセスがそうよくない上に、一般の店の倍の値付けをしているティプサマイのパッタイが人気なのは、「人気店であるから」という理由もあるだろう。

 

 何年か前から、ティプサマイでは「外国人向けにお土産のシール」をくれるようになった。現地人には配っていないようなので、シールが欲しい人は店内にある「あのシールが欲しい」と店員に伝えると良いだろう。昔懐かしいタイ王国の庶民料理店の雰囲気を醸し出すお土産シールは、見るものをほんの少し微笑ませてくれる。

 

 

 

店の奥には、有料の座席も。