台湾には、まだ書店が多い。

 この10年ほどの間に、日本のリアル書店の勢いが随分となくなったと感じる。局所的には面白い書店はまだあるものの、総合的には、やはりリアル書店の趨勢は下降気味である。それというのも、アマゾンに代表されるようなネット販売の興隆があり、またメディアの多様化によって、「書籍」や「雑誌」という「書店の主力商品の人々への訴求力」に陰りが見えてきたからなのだろう。

 アマゾンはとても便利だ。自分もお世話になることが多い。しかし、ローカルな書店の数々など、何か文化的経済圏の大きなものを壊しつつ、ほとんどの人が会ったこともない創業者のジェフ・ベゾスを世界一の金持ちにしたりしている気がすることもある。彼らの在庫管理、ディマンド・チェーンは世界最先端をいっている。

 ヨドバシカメラなどのように、諸外国から来た人からの事前のネット・オーダーを取り消したりするなど、人種差別するような不届きな中間業者もある中、「買ってくれるお客様はみな公平に扱う」というお客の国籍などを問わない姿勢も見上げたものである。そもそも、アマゾン・ジャパンの社長すら日本人でないというのが良いのかもしれない。

 先日、台湾の街を歩いていて、「台湾はまだまだ書店が生き生きしているな」と感じることができた。幸か不幸か台湾にはまだアマゾンが進出していない。実は、アジア圏でアマゾンがあるのは、日本だけになったようだ。中国大陸でもアマゾンは頑張っていたが、縄張り争いに敗れて撤退したようである。

 中国ビジネスというのは、アマゾンのような巨大企業をしても、政治的なところだったり、文化的なところだったりで、色々と難しい面があるようである。世界最大のスーパー・チェーンのウォールマートや仏系大手スーパー・チェーンのカルフールも、中国大陸では苦戦し始めていると聞く。韓国系のロッテ・マートなどは、中韓関係がミサイル設置問題で悪くなると、一気にその多くが閉店に追い込まれてしまった。あと10年もすると、中国大陸の風景はまた違ったものになっているのであろう。

 さて、台湾人の友人から聞いた話では、同じ繁体字の中国語を使う香港よりも、台湾の方が書籍の価格が安いので、香港から台湾に旅行に来た本好きの人々は、嬉々として台湾で書籍を買っていくそうだ。24時間営業の誠品書店もあるのが、本好きの旅人にはたまらないところである。香港にも素敵な誠品書店は何軒かあるが、台湾の誠品がやはり本家である。

 

 台湾の大手チェーン書店である誠品も素敵だが、他にも台湾では街のあちこちに独立系の素敵な書店が多くあるのも嬉しい。小さな書店では心地よいカフェなどを併設したり、特徴的なアパレルのお店と融合しているお店など、面白いお店がいくつもある。中国や韓国、香港などとは違って、台湾ではまだ比較的「言論の自由」があるので、同じトピックの本にしても多面的な考えの内容の本があるのも思想的に健全である。

 次回、「台湾最大の書店で「重い本」を買う。」に続きます。    

台湾の犬は、サーフィンもできそう。
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台湾のとあるお店のシャッターに、「旅に行くからお休み」とあった。
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もう台湾が恋しい。

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