チャーニヴチの安宿での宴:金魚鉢カクテル

 

前回のブログ「チャーニヴチの安宿の物価からの続きです。

 

 

※本ブログの内容は、私が初めてウクライナを訪問した2014年当時の内容です。

 

ご存知のように、現在ウクライナはロシアによる侵略戦争を受け、大変な状況にあります。

 

連日ニュースで伝わってくるのは、過酷な戦渦の内容が多いです。

 

「比較的平時のウクライナの素顔」を伝える目的で、過去の旅の内容を綴っています。

 

 

チャーニヴチで英人オーナーの経営する安宿にチェックインした。共有エリアとなっているリビングのテーブルで寛ぎながら、ウクライナのビールを楽しんでいると、キッチンで洗い物をしていた先客である大学生たちが、興味津々で話しかけてきた。

 

彼女たちからすると、リビングにいるアジア人の自分は、まるで珍しいパンダでも見るような気分のようであった。それでも、欧米でみられるような「アジア人蔑視」という感情は感じられず、ただ純粋に「こんな所に不思議な動物がいる。おもろ」という感じで接してきているようであった。そこには対象を上に見るのでもなく、下に見るのでもなく、ただ単純に「自分と違うほとんど見たことのない、アジア人種に対する純粋でフェアーな興味」があるだけであった。

 

 

2014年当時、振り返ってみると東欧のウクライナを旅するアジア人はまだ珍しく、街を歩いていても欧米人の旅行者はいても、アジア人は滅多に見かけることがなかった。それは首都キーフの街でも同じである。

 

それも時代が変わり、セルビア同様に少なからずの中国人がウクライナで生活しているという話を聞く。また首都キーフではベトナム人のコミュニティもあると、実際に現地に数年住んでいたベトナム人から耳にした。

 

 

さて、リビングでウクライナ・ビールを楽しんでいた所、大学生たちが自分達が自炊して食べた夜ご飯の残りの「バケットにペーストを塗ったもの」を酒のつまみにさっと作って提供してくれた。すでに暗くなった宿の周りにはレストランなども目視できなかったので、こうした優しい施しはとても有り難く、彼女たちへの印象はとても良いものとなった。

 

 

ほどなくして、宿主が学生たちに「飲もうか」ともちかけ、まだリヴィウ大学に入ったばかりの学生たちは「飲み会」に嬉々としていた。もちろん酒代は宿主のおごり(on house)であり、あまりお金を持っていないウクライナの学生たちを想って飲ませてあげている彼の心意気がなんとも温かく思えた。

 

その夜、まず振る舞われたのは、グラスに注いだワインやビールではなく、金魚鉢にウォッカを注ぎ、それをサイダーで割った中に、事前に凍らせておいたカラフルな金魚型の氷を入れた「金魚鉢カクテル」である。東南アジアのいくつかの国でも、小さめのプラスチック・バケツに強いお酒をジュースで割ったカクテル「バケット」があるが、この金魚鉢はそのような破天荒なものであった。

 

まだコロナが流行る数年前であったので、こうしたワイルドなカクテルにストローを何本もツッコミ、皆で顔を寄せ合って飲むというひと時を楽しむことができたのであったが、コロナ後のすっかりセンシティブになってしまった世界では、こうした光景も少なくなってしまったことであろう。

 

 

次のブログ「チャーニヴチの安宿での宴:ウォッカ・ゲーム」に続けます。

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