チャーニヴチの安宿の物価

 

前回のブログ「リヴィウから鉄路でチャーニヴチへからの続きです。

 

 

※本ブログの内容は、私が初めてウクライナを訪問した2014年当時の内容です。

 

ご存知のように、現在ウクライナはロシアによる侵略戦争を受け、大変な状況にあります。

 

連日ニュースで伝わってくるのは、過酷な戦渦の内容が多いです。

 

「比較的平時のウクライナの素顔」を伝える目的で、過去の旅の内容を綴っています。

 

 

夜もすっかりふけた頃に、リヴィウ駅から乗車した列車がウクライナ南西部の街チャーニヴチの駅に滑り込んだ。暗い夜道、駅から近くに予約を入れておいた安宿まで数百メートルを歩きながら、「こっちであってるのかな」と初めての街でやや心配になりつも、すぐに目的地である宿のある建物を見つけ、難なくチェックインすることができた。

 

 

リヴィウにいた頃、基本的に民泊などを使って「貸切」タイプの宿で一人で宿泊していた。貸切タイプの宿の良いところは、他の旅行者の目を気にせずに、ゆっくりくつろげることである。またホテルの個々の客室もプライベートが担保されており、部屋に戻れば他の旅人を気にする必要はない。

 

しかし、貸切タイプの民泊やホテルに宿泊していると、他の人々との交流が激減する。旅先では知り合いも限られており、下手をすると1日に他の人と口をきくのはホテルのレセプションの人との挨拶、レストランやカフェでの注文・会計の時だけになる。振り返ってみると「旅先でほとんど誰とも話さずに、1日が過ぎていた」ということも珍しくない。

 

ウクライナ最初の訪問地であったリヴィウでは、到着してから程なくして、やたらと世話好きな女子大生のいたグループに遭遇し、その後ずっと誰彼と会話をする機会に恵まれていたが、新しい訪問地であるチャーニヴチには知り合いもおらず、「それならいっそ、誰かとほぼ強制的に顔を合わせ話ができる、ドミトリー・タイプの宿に泊まってみよう。宿泊料金もかなり安く抑えられる」と思いついた。

 

 

実際のところ、ウクライナのドミトリー・タイプの安宿は、東南アジアの比較的物価の安い国々とも変わらないほどに宿泊料金が安く、数百円で泊まれるものであった。ヨーロッパと一言で言っても、物価の高いスイスや北欧などでは、ドミトリーの部屋のベッド一つで一泊5000円という宿もあれば、東欧のウクライナやモルドバでは数百円というかなりの価格差がある。

 

アパートメントの建物の一室を宿にしたホステルには、すでに先客の地元ウクライナの大学生たちが数人ステイしており、共有スペースであるキッチン・リビングにいた皆は、笑顔でアジアからの珍客である自分を迎えてくれた。

 

宿の主はイギリス人の紳士。彼はウクライナ人の奥さんとの間に可愛い男の子を授かり、チャーニヴチの街で、若者が好む安宿を経営していた。この宿には一泊だけしか宿泊せず、翌日の日中、チャーニヴチの街の観光をした後、夜行バスでモルドバへと抜ける旅程であった。

 

 

旅をしていると、忘れられない出逢いの日がある。この夜も、数人の学生たち、そしてウクライナの若者が可愛くて仕方ないという宿主と一緒に、皆で遅くまで飲み明かし、翌日、二日酔い気味の朝を迎えつつも、皆で一緒にチャーニヴチの街を観て周ったのであった。

 

 

次のブログ「チャーニヴチの安宿での宴:金魚鉢カクテル」に続けます。

安くてもプライスレス

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