ベトナムの古都、世界遺産のあるフエ

 

 ベトナム人にとって、「古都フエ(Hue)」といえば、日本人にとっての「京都」のような場所に相当するのであろう。そこにはベトナム文化の源の一派があり、彼の地で暮らす人々はどこか「はんなりとした所作」を身につけているようだ。地理的にも丁度ベトナム中部にあり、京都が日本列島の中腹にあるのとも共通している。

 世界遺産に指定されている王宮は、北京の紫禁城をモデルに作られているが、そのサイズは一回りも二回りも小さい。

 さて、フエの女性はどこか他の地のベトナム人女性とは違った魅力があるようにも見える。これまた「京女」と同じように、「フエ女」というのは独特の魅力があるようだ。逆に、フエの男性はおっとりしているので、タフなベトナム女性からすると、サイゴン(ホーチミン)の働き者やハノイの根回しに長けた男たちの方が好まれるのかもしれないが。

 

 フエには世界遺産に指定されている「王宮や陵墓」といった遺跡があるので、観光客も少なからず訪れている。しかし、ホーチミン(サイゴン)やハノイ、ダナンや近郊のホイアンの方が交通アクセスが良く、より観光地化されている印象を受ける。

 

 諸外国からのアクセスが他の地よりも悪い分だけ、フエは「古の都」の雰囲気をより多く留める事ができているとも感じる。街には5階建以上の背の高いビルは、まだ数えるほどしかなく、南のサイゴンや北のハノイ、中部最大のダナンとは比べるべくもない背丈の低い街である。

 

 

 しかし、この街には当のベトナム人が訪れても楽しめるだけの魅力があるようで、ハノイから仕事と遊びを兼ねてやってきていた30代の女性3人組から、「フエの良さ」を幾つか教えてもらうことができた。3人とも海外留学経験があり、国際機関で働いているのもあり、英語も堪能であった。

 

 

 彼女たちとは、王宮跡の中にあるお寺の二階で知り合った。急な雨に降られ、1時間ばかり雨宿りや書きモノをしている所で彼女たちがやってきて、なんとなく話をするようになった。守衛のおじさんから「2階に日本人が1時間ぐらいずっといるよ。ここが相当に気に入ったみたいだ。」と聞かされていたのだという。どうして自分が日本人だと分かったのかは分からないが、各国からの観光客を多く見ている守衛のおじさんには、国籍を一瞬で判別できるだけの眼力があるようだ。

 

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 雨上がりの王宮には、草木の喜ぶ匂いと土の匂いが優しく充満していた。街中の匂いとはまた別の匂いだ。

 

 そういえば、ホイアンからバイクを駆って40分ほどの距離にあるミーソン遺跡でも、小雨が降り人の少ない森の遺跡の中、散策を楽しんだ。どうやら東南アジアの遺跡群は雨上がりの後が気温も心地よく下がり、人出も少なく丁度良いのかもしれない。強い日差しの地で炎天下の中を散策するのは、東アジア人にはつらいのだ。

 

フエの王宮での雨宿り、悪くない。