ベトナム、サパ近隣の少数民族の女性たち

 

 前回、「風情がなくなりつつあるベトナムはサパ」について書きました。今回はその続きです。

 

 

サパまで辿り着いてみると、身なりの少しずつ異なる少数民族の衣装を着た女性たちがいることにすぐに気がつく。

 

ぱっと見、似たような衣装なのであるが、縞の多さやスカートの丈の長さ、ズボン状の衣装を合わせていたり、長いソックスを履いていたり、帽子の有無、髪を部分的に剃っている、剃っていないなどで、当の少数民族の女性たちは、一瞬で「他民族」だと見分けがつくらしい。言葉も民族によってそれぞれに異なるが、ここでは共通語のベトナム語で会話をしている。

 

これはベトナムの北にある中国大陸の54民族についても、同じことが言える。それぞれの方言はお互い理解不能な程に異なるが、共通語の普通話(プートンフア:マンダリン)で意思疎通している。

 

サパの町は、近隣の村々からやってきた少数民族の女性たちが、観光客相手の物売りに熱心であり、また自分たちの村へツアー客を誘う観光ガイドの仕事もしている。物売りよりも、まとまったお金の稼げるツアー・ガイドの仕事の方が、彼女たちにとって大きな収入となる。

 

 多くの場合、彼女たちが売ろうとしているモノにはそう魅力的なモノはないので、物売りではあまり稼ぎはないようなのであるが、村への訪問やホーム・ステイは人気があり、実際に彼女たちの家にホーム・ステイし、村の雰囲気を堪能する旅人も多い。

 

少数民族の彼女たちの観光客への粘着力は相当なものがあり、欧米人のようにはっきりと「要らない」と言えない、しばしば相手を気遣う日本人観光客はよい標的となり、ずっと付きまとわれることになる。

 

 

何を隠そう自分もその口で、心では「要らないモノばかりだな」と思っていても、「そんなの要らない」といきなり強くは言えないので、「ひょっとしたら可能性があるかも」と思わせてしまい、最初のうちはずっと付きまとわれることになった。

 

彼女たちは自分が歩いていっても、ずっと横をついてくるし、食事をしにレストランに入っても、平気で小一時間はずっと外で待っているのだ。時間の感覚が異なる上に、待っている間もその場で物売りをしていればよいので、果てしなく待たれることもある。危うく根気負けして何か買ってしまいそうになるが、やはりどう見ても荷物になるだけのモノがほとんどだ。

 

 物売りには、かなりうんざりさせられるが、毅然とした態度できっぱりと断るのに慣れてくると、相手もすぐに引き下がる。お互いの時間の浪費を避ける為にも、「きっぱりと断る技術」を磨いたほうがよい。

 

数日サパに滞在できるのであれば、村々へのツアーやホーム・ステイは格別の体験となるので、友人にも勧めたいものだ。村々へのツアーの料金も、交渉しているうちに最初の言い値から随分と簡単に下がっていく。大部分が気のよい少数民族の女性たち。ベトナムも、辺境が面白い。

 

ベトナムの二大観光地である中部のホイアンと北部のサパ。もう昔のような風情はどちらもほとんどなくなってしまったが、「失われた美しさ」を探しに、またいつか、かの地を訪れてしまうのであろう。

 

サパまで行ったら、村々も訪ねたい

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